(2018年 フランス)
柔らかな日差しと緑あふれるパリの街。放課後の校舎で、アパートの管理人業務に携わる叔父・ダヴィッド(ヴァンサン・ラコスト)の迎えを1人で待つアマンダ(イゾール・シュルトリエ)が冒頭に映される。
シングルマザーの姉・サンドリーヌに、迎えが遅れた言い訳をするダヴィッドをさりげなく庇いもすれば、彼が置き忘れた本『エルヴィスは建物を出た』の標題の意味を高校教師の母・サンドリーヌに尋ねたりもする7歳の利発な女の子だ。
プレスリーのロックに合わせ、アマンダと母が長い髪を揺らしながら踊りに興ずるシーン、父子家庭で育ったダヴィッドと姉が自転車に乗ってスピードを競い合うシーンも忘れがたい。
そんな揺るがぬ絆で結ばれた親子と姉弟の関係が、ある日突然断ち切られてしまう。公園に集う人々を襲撃したテロによりサンドリーヌが命を落としたのだ。
その日から24歳のダヴィッドの肩に、独りぼっちになったアマンダの世話が重くのしかかる。深い悲しみと戸惑いを抱えながら、二人はどう立ち直り、希望を見出していくのだろうか。 事件で右手を負傷したピアノ教師レナとの恋の行方や、4歳で別れたままの母親との再会なども交えつつ、他者を思いやる存在の大きさが感銘深く描かれる。
脚本をも手がけたミカエル・アース監督は、テロ事件を物語の背景にとどめて描くことで、普遍性とともにテロがいかに理不尽なものであるかを訴えている。
シングルマザーの姉・サンドリーヌに、迎えが遅れた言い訳をするダヴィッドをさりげなく庇いもすれば、彼が置き忘れた本『エルヴィスは建物を出た』の標題の意味を高校教師の母・サンドリーヌに尋ねたりもする7歳の利発な女の子だ。
プレスリーのロックに合わせ、アマンダと母が長い髪を揺らしながら踊りに興ずるシーン、父子家庭で育ったダヴィッドと姉が自転車に乗ってスピードを競い合うシーンも忘れがたい。
そんな揺るがぬ絆で結ばれた親子と姉弟の関係が、ある日突然断ち切られてしまう。公園に集う人々を襲撃したテロによりサンドリーヌが命を落としたのだ。
その日から24歳のダヴィッドの肩に、独りぼっちになったアマンダの世話が重くのしかかる。深い悲しみと戸惑いを抱えながら、二人はどう立ち直り、希望を見出していくのだろうか。 事件で右手を負傷したピアノ教師レナとの恋の行方や、4歳で別れたままの母親との再会なども交えつつ、他者を思いやる存在の大きさが感銘深く描かれる。
脚本をも手がけたミカエル・アース監督は、テロ事件を物語の背景にとどめて描くことで、普遍性とともにテロがいかに理不尽なものであるかを訴えている。
悲しみから希望への道は